ハイレゾははやるか
昨日ヤマダ電機へ行ってハイレゾのマシンを見、店員から話を聞いた。SONYはハイレゾを押しているそうだ。ハイレゾははやるだろうか。ここで言うはやるというのは、若い年齢層の方にである。結論を先に言う。絶対にはやらない。
まず、ハイレゾとはなんぞや。SONYのページに詳しく書いてあるので、それを参照してほしい。てっとり早く言うとCDより高音質。従って、データ量も6.5倍。CDには含まれていない音の情報を持っているから、高音質というわけだ。
さて、ハイレゾを聴くためには、それに対応してウォークマン、ヘッドフォン、スピーカーなどが必要だ。
さて、なぜハイレゾがはやらないか考察していく。
まず、音源をどうやって入手するかだ。私はてっきりCDから取るものだと思っていた。数年前だろうか、CDより音質が良いSuper Audio CDというCDが発売されていた。再生するプレーヤーもそれに対応するものが必要であった。しかし、今はさっぱりきかない。どこへ行ったのだろう。
音源の入手はWEBからだそうだ。オンキヨーの「e-onkyo music」や、ソニーの「mora」からダウンロードするらしい。しかし、ダウンロードするのにどのくらいの時間がかかるのだろう。CDの6.5倍というからには相当時間がかかるだろう。こんな面倒くさいことを若い人がするわけがない。通信に時間がかかるし、Wifiでなければ下手すりゃ1カ月のデータ量を超えてしまうだろう。
次にデータサイズが大きいわけだから、当然容量を食う。店員さんが言うには16GBのウォークマンで50曲くらいが入るそうだ。若い人が50曲で満足するだろうか。私でさえ、iPhoneには4000曲くらい入っている。さらに、AppleMusicも利用しているため、聞ける曲は無限大に近い。例えば、昨年末紅白歌合戦を聞きながら良い曲だなと思ったら、次々とiTunesストアでチェックして、プレイリストに追加していった。若い人はきっとこういう使い方をするのだろう。従って、50曲で満足するわけがない。店員が言うには、そのためにSDカードなどの外部メモリーがあると言っていたが、そんなものを使わなくてはいけないのか。いちいち音楽を聴くための手間が不便なのである。店員が言うには、50曲じゃ足りないから、ハイレゾでない音楽も入れて使うのだそうだ。ハイレゾと普通の音源と混在か?こんなことでははやらない。
次に肝心の音質の問題。そこまで高音質が必要なのだろうか。まず前提問題として、若い人は音質のこだわらない。iPhoenの付属の白いヘッドフォンで十分なのである。そんな高音質は欲していない。私はおじさんである。高校時代からオーディオ小僧であった。従って、今でも高級オーディオフェアなどには参加している。しかし、そこに参加している人たちはみんな私より年上のおじいさんに近い人たちばかりである。若い人は本当に見ないのである。オーディオブームはとっくに去ったのである。サンスイやダイアトーン、ナカミチなどのオーディオブランドはなくなったのである。
次にいつどうやって聴くのかだ。SONYのページには屋外とリビング・マイルームでと2つの提案をしている。どちらも?と思う。まず、外で聴くには当然ヘッドフォンで聴くことになる。さらに外で聴くのだから雑音も多数ある。そこで雑音まみれの中で聴くためには当然密閉型を選択する必要がある。そうなると、外部の音は全く聞こえなくなるが、それでは外を歩くと危険だろう。それ以外のオープンエアータイプやインイヤータイプのものはダメだろう。インイヤータイプはこすれ音や歩いたときの音など、他の雑音を拾いやすい。オープンエアータイプは外部の雑音を拾う。従って、密閉型以外ではせっかくのハイレゾの音質を十分に堪能できないのである。そんなもので外で聴くか?
もう一つのリビング・マイルームで聴くのはどうだろう。SONYのページにはオーディオセットが紹介されているが、そこにはいずれも小さなスピーカーが載っている。この小さなスピーカーで十分にハイレゾの音質を再現できるのだろうか。CDの6.5倍の情報量を持っているのだから、それ相応のスピーカーで聴く必要があるだろう。そんなスピーカーを持っているのだろうか。私は、Boseのスピーカーを持っているが、これなら大丈夫だろう。これが大きな疑問である。
次に、こんな素晴らしい音質のものを人間の耳は聞き分けられるのだろうか。それ相応の再生機器を利用しても、私のようなおじさんは高音を聞くことが出来ないほど耳は退化していると思う。人間の耳に聞き取れない音の情報量をいくら持っていても無駄である。まったくもって宝の持ち腐れなのである。
以上のような点から、ハイレゾは絶対にはやらないのである。